インド占星術のハウスって何?わかりやすく解説します。

こんにちは、管理人です。

インド占星術は、ヒンドゥー教や古代インドの聖典「ヴェーダ」の影響を大きく受けた占星術です。

占星術という名前の通り、星を使って占っていく占術ですが、このインド占星術を読み解くために必要不可欠な部分が「ハウス」と呼ばれるものです。

12の「ハウス」一つ一つには意味があり、そしてその全体が一聯の流れとなって、人としてのあるべき姿を教えてくれています。

この「ハウス」の深い意味を知ると、インド占星術をもっともっと知りたくなりますよ。

今回は、「ハウス」の意味や役割について、詳しく説明していきます。

インド占星術の特徴

インド占星術、あまり馴染みの深い名前ではありませんが、その歴史は長く、古代から現在に至っても、インドの人々に頼られ親しまれている占星術です。

ヒンドゥー教と聖典ヴェーダの教えや考え方を取り入れたインド占星術は、西洋占星術とは似ている部分もありながら、独自の道を展開してきました。

インド占星術と西洋占星術の大きな違いは、使う星座の位置関係にあります。

どちらも牡羊座から魚座までの12の星座を使って占いますが、天空にある星をホロスコープに表すときの星座の位置づけ方が異なっています。

西洋占星術においては、春分の日を起点として、天空360度を12分割し、牡羊座から順番に割り振っていきます。

これに対し、インド占星術では、実際に天空にある牡羊座の恒星群の位置を基準としています。

このため、同じ星座であっても西洋占星術でのその位置と、インド占星術でその位置には、約24度のずれがあります。

西洋占星術ではみずがめ座であるのにインド占星術で見るとやぎ座だったということが起こってくるのです。

今までみずがめ座として星座占いをやってきたけれどなんとなくしっくりこなかった・・・インド占星術で見たらやぎ座の運勢がなんだかピッタリ!ということが起こるかもしれません。

逆に、西洋占星術では納得できたけれど、インド占星術ではしっくりこないということもあるでしょう。

インド占星術を読み解くためのハウス

西洋占星術を知っている人は「ハウス」という言葉に馴染みがあると思いますが、インド占星術にも同じく「ハウス」があります。

インド占星術ではこのハウスのことを「パヴァ」と呼びます。

インド占星術での「ハウス」は1室から12室まであり、その特徴として、「星座=ハウス」として完全に一致するということが挙げられます。

星座とハウスの境界線がピッタリ一致していることから、一つの星座には一つのハウスしか当てはまらないということになります。

西洋占星術では、星座とハウスの境界線がずれており、ある意味占う人の力量や味方、判断によって結果がゆだねられていますが、インド占星術ではその曖昧さがありません。

このシステムはシンプルでわかりやすいだけでなく、実は星座とハウスが最もよく相互作用するといわれています。

また、ハウスはインド占星術を行う上で、大変重要な位置づけにあります。

「どの星座がどのハウスを支配しているか」「どの星がどのハウスに在住しているか」を見ることによって、その相互作用により起こる現象、その吉凶などを読み取っていくのです。

「ハウス」なしには、インド占星術での占いは成り立たないのです。

ハウスの意味

1から12室までのハウスは、「象意」と呼ばれる意味をもっています。

この意味は人の成長段階を示すといわれており、理路整然に記された一連の流れは、本来人間のあるべき姿や生き様であるように感じます。

まず、第一室の「自分自身や身体」から始まっています。

その身体を維持するためには、「衣食・収入(第2室)」が必用で、収入を得るためには、「勇気・努力(第3室)」をもって労働しなければなりません。

収入を得たことで財産を築き、次は家や土地を手に入れ、「心落ち着く(第4室)」家庭環境を整えていきます。

家庭環境が整えば、周りの人のために、「生み出すもの(第5室)」を与えていきます。

そして時に「困難な相手(第6室)」と直面することもありますが、これを乗り越えれば良い「人間関係(第7室)」が成り立ちます。

再び世の中の摩擦により「苦悩(第8室)」を感じることがあっても、それを克服することで「神(第9室)」からの幸運を手に入れます。

「天職(第10室)」を得て社会的にも影響を与え、結果、「成功、名誉(第11室)」を勝ち取ります。

社会的にも経済的にも欲望を満たしたら、全てに満足して「無欲(第12室)」となり、解脱して物質界から神の世界へ転生するのです。

また、人間は生きていく上で様々なことを学び成長していきますが、インド占星術ではその状態を精神性の成長として分類しています。

① 「ダルマ」:この世に生まれてまず最初に学ぶべきこと⇒ 道徳や倫理 

② 「アルタ」:2番目に学ぶべきこと ⇒ お金を稼ぐ・働くこと 

③ 「カーマ」:3番目に学ぶべきこと ⇒ 稼いだお金を使って満足するまで欲望を満たすこと

④ 「モクシャ」:4番目に学ぶべきこと ⇒ 地位や名誉には興味がなくなり、放棄して出家し解脱すること 

≪ ハウスの意味とその分類 ≫

ハウス 精神性成長の分類 象意・意味 体の部位
1室 自分自身 ダルマ 自分自身、身体、能力、容姿
2室 自分を維持するもの アルタ 家族、食べ物、収入、言葉、容姿、死 顔、口、目
3室 勇気 カーマ 勇気、訓練、コミュニケーション、芸術、弟妹 手、耳
4室 心落ちつく場所 モクシャ 母、故郷、家、不動産、土地、車 胸部、心臓
5室 生み出すもの ダルマ 思考、創造、知性、教育、子供、恋愛 腹部
6室 困難な相手 アルタ 戦闘、訴訟、試験、借金、奉仕、労働、病気、医療 下腹部
7室 人間関係 カーマ 人間関係、結婚、配偶者、死 腰部
8室 生と死 モクシャ 寿命、慢性病、苦悩、遺産、不労所得、金融、霊能力、占星術、死 性器、肛門
9室 神様 ダルマ 楽観、倫理性、幸運、法律、宗教、父親、善 太もも
10室 行動 アルタ 天職、上司、高い位置、父親、公衆の面前 ひざ
11室 煩脳の達成 カーマ 収入、成功、欲望、名誉、友人関係、兄姉 ふくらはぎ
12室 あの世 モクシャ 霊能力、無欲、無関心、あの世、金欲、損失、悟り、海外

ハウスは、上記の分類法のほか、運気によって分ける方法もあります。

≪ 運気による分類 ≫

分類 吉凶とハウス 分類の意味
トリコーナ 吉意:9室>5室>1室 幸運、幸徳のハウス。過去に積んだ幸徳の結果としてもたらされる幸運。このハウスに在住する星は、凶星は凶意が強まり、吉星は吉意が強まる。
ケンドラ 吉意:10室>4室>1室>7室 守護と力を与えるハウス。保護を与え在住する星の力を強めるという影響力がある。吉星が在住すれば精神性に大きな役割を果たす。凶星が多いと悪意があり不誠実になりやすい。
ウパチャヤ 凶意:11室>6室>3室 凶だが成長するハウス。始めは困難に直面しても時の流れと努力によって改善する。忍耐と訓練。
ドシュタナ 凶意:8室>12室>6室 困難や不運の悪いハウス。このハウスを支配する星は凶星化する。病気、事故、卑屈、障害な度と関係がある。
マーラカ 凶意:2室>7室 生命を傷つける、死亡時期を見るに重要なハウス。このハウスが絡むことで、生きるパワーが弱まり病気になりやすくなる。

以上のように、インド占星術ではハウスが重要な役割を持っており、一つ一つが持つ意味、成長段階や運気が、そこに在住する星や支配する星に強力に働きかけています。

星とハウスが相互に作用することで、一人一人の運勢や天命を見据えてくれるのです。

 

《まとめ》

インド占星術において、「ハウス」が重要な役割を持つということがお分かりになったかと思います。

このような「ハウス」の深い意味を知ると、さらにインド占星術が面白くなるのではないでしょうか。

インド占星術では、ホロスコープ上のハウスと星座の境界線が完全に一致しています。

そのため、一つのハウスに一つの星座しか当てはまらず、大変わかりやすく納得のいくシステムといえます。

このハウスにどの星座が在住しているか?このハウスをどの星座が支配しているか?という読み取り方をしますので、ハウスはインド占星術に必要不可欠なものなのです。

各々のハウスの持つ意味が、そこに在住する星や支配する星に強力に影響を与えており、ハウスと星の相互作用によって、私たちの運勢や天命を知ることができるのです。

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